
薄利多売とは、1品あたりの利益(利幅)は小さいものの、売れ行きの良い高回転の商品を大量に販売することで、全体の利益を積み上げる戦略のことです。反対に、1品あたりの利益が大きい商品を少数だけじっくり販売する戦略は「厚利少売」と呼ばれ、せどり・eBay輸出ではこの2つのバランスの取り方がスタイルの違いとして語られます。
薄利多売と厚利少売の違い
| 観点 | 薄利多売 | 厚利少売 |
|---|---|---|
| 1品あたりの利益 | 小さい | 大きい |
| 売れるまでの期間 | 短い | 長くなりやすい |
| 扱う件数と作業量 | 多い | 少ない |
| 資金が戻る速さ | 速い | 遅い |
| 崩れやすい原因 | 送料・手数料の見積もりのずれ | 売れ残りと値下げ |
厚利少売は、高単価・高利益の商品を少数扱うため作業量が少なく、1件の販売で大きな利益が得られます。ただし売れるまでの期間が長くなりやすく、資金が在庫に固定される時間も長くなります。どちらが優れているというものではなく、資金量・作業時間・扱う商材の性質で使い分けるものです。
同じ月の利益を2つの戦略で比べる
計算を分かりやすくするための数字で、例を示します。
- 薄利多売: 1品あたりの利益500円の商品を、月に60個売る → 500円 × 60個 = 30,000円
- 厚利少売: 1品あたりの利益6,000円の商品を、月に5個売る → 6,000円 × 5個 = 30,000円
月の利益は同じでも、薄利多売は60件分の出品・梱包・発送が必要で、厚利少売は5件で済みます。一方で、厚利少売の5個が売れる時期がずれると、その月の利益はすぐに減ります。
見積もりのずれに弱い理由
同じ例で、1件あたりの送料が見積もりより300円高かったとします。
- 薄利多売: 利益500円 → 200円(6割減)。月の利益は12,000円になります
- 厚利少売: 利益6,000円 → 5,700円(5%減)。月の利益は28,500円です
1件あたりの利益が小さいほど、同じ額のずれが利益に占める割合は大きくなります。薄利多売では、手数料・送料・為替の小さな変化で「売れたのに赤字」が起きやすいということです。いくらで売れば赤字にならないかの線は損益分岐点で確認できます。
手数料・送料・仕入れのどこを削ると利益率が何ポイント動くかは、eBayの利益率を上げる5つの打ち手で扱っています。
薄利多売の強みと弱み
薄利多売の強みは資金効率です。よく売れる商品を扱うため回転率が高く、仕入れ資金がすぐ戻って次の仕入れに回せます。仕入れ資金に対してどれだけ利益が出たかを示すROIが同じでも、回転が速いほど、同じ資金で1年に何度も利益を生めます。販売の件数が積み上がりやすく、評価やアカウントの実績作りにも向いています。
一方で、1件あたりの利益が薄いぶん作業量(出品・梱包・発送)が増えます。作業時間を時給に直すと、利益が残っていないこともあります。
薄利多売を選ぶときの進め方
- 手数料・送料込みの利益を1品ずつ正確に計算する(利益計算)。薄利では見積もりのずれがそのまま赤字になるためです
- 出品・在庫更新・発送の作業を仕組み化し、1件あたりの作業時間を圧縮する
- 販売実績が付いてきたら、売れることが分かった商品を縦積みして、リサーチの手間を減らす
- 手数料や送料が改定されたら、扱っている商品の利益を計算し直す
薄利多売は、数を扱うほど管理の負担が膨らむ戦略です。商品数が増えても在庫と損益を正確に把握できる管理体制が、この戦略の土台になります。
執筆・監修: Trade Force 運営チーム