
回転率とは、仕入れた在庫が売れて資金に戻るまでの速さを表す考え方です。「回転が良い(速い)」「回転が悪い(遅い)」のように使われ、せどり・eBay輸出の資金効率を測る基本概念です。会計用語の在庫回転率(売上原価÷平均在庫)と同じ発想を、実務的に使ったものです。
在庫回転率(Inventory Turnover)の計算方法
在庫回転率は、一定期間に在庫が何回入れ替わったかを表します。仕入れ値を基準にする場合、次の式で求めます。
在庫回転率 = 期間中の売上原価(売れた商品の仕入れ値の合計) ÷ 平均在庫額
平均在庫額 = (期首の在庫額 + 期末の在庫額) ÷ 2
回転率を日数に直したものが在庫日数(在庫回転日数)です。
在庫日数 = 期間の日数 ÷ 在庫回転率
計算を分かりやすくするための数字で、例を示します。
- 1年間の売上原価: 2,400,000円
- 期首の在庫額500,000円、期末の在庫額700,000円 → 平均在庫額600,000円
- 在庫回転率: 2,400,000円 ÷ 600,000円 = 年4回転
- 在庫日数: 365日 ÷ 4 ≈ 91日(仕入れてから売れるまで平均3か月ほど)
売上高を分子にする計算の仕方もあり、その場合は数字が大きく出ます。自分の過去と比べるときは、毎回同じ式で計算してください。
回転率が利益に効く理由
同じ資金でも、回転が速いほど年間の利益は大きくなります。ここでの利益率は、仕入額に対する利益率です。
- 利益率20%の商品が年2回転 → 資金あたり年40%の利益
- 利益率10%の商品が年6回転 → 資金あたり年60%の利益
利益率の高さと回転の速さはトレードオフになりがちです。高利益・低回転(レア品)と低利益・高回転(定番品)のどちらに寄せるかは戦略そのもので、多くのセラーは両者を組み合わせてポートフォリオを作ります。低利益・高回転に寄せた戦略が薄利多売です。
回転率とSell-through Rateの違い
名前が似た指標にSell-through Rateがあります。どちらも「売れる速さ」に関わりますが、測っているものが違います。
| 観点 | 回転率 | Sell-through Rate |
|---|---|---|
| 測るもの | 自分の在庫が売れて資金に戻る速さ | 市場で出品された数のうち、売れた数の割合 |
| 対象 | 自分の在庫(仕入れた後) | 市場全体の出品(仕入れる前) |
| 主な使いどころ | 資金効率の管理、滞留在庫の発見 | 仕入れる商品の需要の見極め |
Sell-through Rateが高い商品を選べば回転率は上がりやすくなりますが、仕入れ数が多すぎたり価格が高すぎたりすれば、市場で売れている商品でも自分の在庫は回りません。
計算の仕方と、遅い在庫が何を消費しているかは、eBay在庫回転率の出し方と、上げる手の順番にまとめています。
商品ごとの在庫日数を見る
全体の回転率だけでは、どの商品が足を引っ張っているかは分かりません。実務では商品単位で見ます。
- 商品ごとの在庫日数: 仕入れ日から販売日までの日数を記録し、「何日で売れる商品か」を把握する
- 市場の回転: Sell-through Rateで、そもそも市場で売れやすい商品かを仕入れ前に見る
- 滞留在庫の検知: 想定日数を超えた在庫を定期的に抽出し、価格改定や損切りを判断する。放置すると不良在庫になります
月単位では揺れて判断できない数字を四半期で見る理由は、eBay輸出が続かない理由と振り返りの手順にまとめています。
回転を上げる手の順番
- 回転を上げる最速の手段は「売れる価格に直すこと」です。相場より高い出品は、資金を寝かせているのと同じです
- 縦積みは回転の読み違いで資金が固定されやすい手法です。積む前に販売ペースを確認しましょう
- 回転率の管理は記録がすべてです。仕入れ日・仕入れ値・販売日を商品単位で残す仕組みを作ることが第一歩です
寝かせすぎというもうひとつの失敗については、在庫管理の失敗は2方向あるで解説しています。
執筆・監修: Trade Force 運営チーム