
古物商許可とは、古物営業法に基づき、中古品(古物)を売買する事業を営むために都道府県公安委員会から受ける許可のことです。転売目的で中古品を仕入れて販売する場合に必要で、中古のトレーディングカード・カメラ・ゲームなどを仕入先から買って売るeBay輸出セラーの多くが取得の対象になります。
古物にあたる物
古物営業法は、古物を次のいずれかにあたる物品と定めています。
- 一度使用された物品
- 使用されない物品で、使用のために取引されたもの
- これらの物品に幾分の手入れをしたもの
2つ目があるため、新品・未使用でも、一度消費者の手に渡った物は古物にあたります。「新品だから許可は要らない」とは限らず、仕入れた経路で判断が変わります。商品券・乗車券・郵便切手なども古物に含まれます。
古物商許可が必要なケース・不要なケース
大阪府警察のQ&Aをもとに、eBay輸出と関係の深いものを整理すると次のようになります。
| ケース | 許可 |
|---|---|
| 転売するために中古品を買い取って(仕入れて)売る | 必要 |
| 「自分で使う」と言いながら、実際は転売目的で中古品を買っている | 必要 |
| 他の業者が輸入した物を、日本国内で仕入れて売る | 必要 |
| 自分で使っていた物や、使うために買って未使用の物を売るだけ | 不要 |
| 全くの無償で譲り受けた物を売る | 不要 |
| 自分で外国に行って買い付け、輸入した物を売るだけ | 不要 |
| 自分が売った相手から買い戻す | 不要 |
国内の店舗・ネットショップ・フリマで中古品を仕入れてeBayで売る形は、1行目にあたります。せどりや越境ECとして続けるなら、個人でも取得が必要です。判断に迷う商材は、営業所を管轄する警察署に相談してください。
許可が必要になる線引きと、許可後の義務を条文とあわせて読む方法は、eBay輸出の古物商許可にまとめています。
古物商許可の取得の流れ
申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署(防犯係)です。警視庁の案内(2026年9月時点)では、申請手数料は19,000円です。
- 管轄の警察署に相談する: 営業所の所在地を管轄する警察署の担当係に、必要書類と手順を確認します
- 書類をそろえる: 個人の場合は、許可申請書・略歴書・本籍が記載された住民票の写し・誓約書・身分証明書(本籍地の市区町村が発行するもの)を、本人と営業所の管理者の分用意します。ホームページを使って取引する場合は、そのURLを使う権限を証明する資料も必要です
- 申請して審査を待つ: 手数料を納めて申請し、審査を経て許可されます
あわせて、営業所ごとに業務の責任者として管理者を1人選任する必要があります。
許可の範囲
主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会の許可を受ければ、ほかの都道府県に営業所を設けるときは届出で足ります。一方、個人で受けた許可はその個人のもので、法人で古物営業をするには法人として許可を取り直す必要があります。
法人化したときの許可の扱いは、増えるコストとあわせて法人化の判断材料をまとめた記事で触れています。
許可を取ったあとに続く義務
古物営業法は、許可を受けた古物商に次のような義務を課しています。
- 相手方の確認: 古物を買い受けるときは、相手の住所・氏名・職業・年齢を確認します。ネットでの買い取りなど対面しない取引にも、確認の方法が定められています
- 帳簿等への記録: 取引の年月日・品目と数量・特徴・相手方などを、帳簿や電磁的方法で記録します
- 標識の掲示: 営業所ごとに、定められた様式の標識を見やすい場所に掲げます
- 不正品の申告: 買い受ける古物に不正品の疑いがあるときは、直ちに警察官に申告します
確認や記録は、取引の金額が一定未満の場合などに省略できるものがありますが、対象外になる品目もあります。細かな条件は管轄の警察署の案内で確認してください。
古物商であることが消費税の仕入税額控除に関わる場面(古物商特例)は、eBay輸出の確定申告と経費で扱っています。
無許可で古物営業をした場合の罰則
許可を受けずに古物営業を営んだ場合、古物営業法では3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と定められています(2026年9月時点)。「小規模だから」「ネットだけだから」は理由になりません。
古物商許可のよくある質問
古物商許可がなくてもeBay輸出はできますか?
自分で使っていた物を売るだけなら、許可は要りません。一方、中古品や、新品でも一度消費者の手に渡った物を仕入れて売るなら許可が必要です。新品だけを扱うつもりでも、仕入れの経路によっては古物にあたるため、始める前に管轄の警察署に確認してください。店舗せどりでリサイクルショップから仕入れる場合も同様です。
許可の取得にはどのくらいの費用がかかりますか?
警視庁の案内では、申請手数料は19,000円です(2026年9月時点)。このほか、住民票の写しや身分証明書の発行手数料がかかります。行政書士に申請を依頼する場合は、その報酬も加わります。
本記事の内容で判断してよいですか?
本記事は一般的な解説です。扱う商材や取引の形で判断が分かれることがあるため、個別の判断は管轄の警察署、または行政書士などの専門家に相談してください。
参考情報
- [公式情報]警視庁: 古物商許可申請
- [公式情報]大阪府警察: 古物営業法Q&A
- [公式情報]e-Gov法令検索: 古物営業法
執筆・監修: Trade Force 運営チーム