
関税とは、商品を輸入する国が輸入品に対して課す税金のことです。英語ではImport DutyやCustoms Dutyと呼ばれます。eBay輸出では、日本から発送した商品が相手国の税関を通るときに課されます。関税のほか、VATなどの輸入時の税金や手数料がかかる場合もあります。
関税(Import Duty)を誰が払うか
国際取引の原則では、関税は輸入者(=バイヤー)が負担します。ただし、日本から米国へ送る取引には、eBay Japanが決めた例外があります。2026年9月時点の扱いは次のとおりです。
| 宛先と条件 | 関税の払い方 |
|---|---|
| 米国宛てで、商品価格(送料を除く)が2,500米ドル未満 | セラーが発送前に払う(DDP)。2025年10月17日(米国太平洋時間)以降の取引から必須 |
| 米国宛てで、商品価格が2,500米ドル以上 | DDPか、バイヤーが到着時に払うDDUかをセラーが選べる |
| 真贋保証(Authenticity Guarantee)の対象商品 | バイヤーが購入手続きの中でDDPかDDUかを選び、どちらでもバイヤーの負担 |
| 米国以外の宛先 | 変更なし。原則としてバイヤーが受け取り時などに払う |
DDP必須の判定に使うのは発送日ではなく、取引日(Seller Hubの注文に表示される「Date Sold」)です。eBay.co.ukなど他国のサイトに出品していても、届け先が米国なら対象になります。DDPとDDUの違いそのものはDDPで扱っています。
米国宛てをDDUで送った場合
eBay Japanの案内では、対象の取引をDDUで発送すると、関税に関するセラー保護を受けられなくなります。関税が理由の「商品が届かない」ケースでeBayの介入を求められると、セラーの責任(Seller fault)として終了し、アカウントにDefectが付きます。アピールしても削除できません。関税に関するネガティブ・ニュートラルの評価も削除の対象外です。DDUを続けてDefectや低評価が増えると、販売制限がかかる可能性もあります。
米国の少額免税(デミニミス)の停止
米国には、800米ドル以下の輸入品を関税なしで通す少額免税(de minimis)の制度がありました。米国税関・国境警備局(CBP)によると、大統領令によって2025年8月29日から、すべての国からの輸入でこの免税が停止されています。国際郵便も対象です。
CBPは2026年6月24日の発表で、この停止を規則として無期限にしたと説明しています。同じ発表では、2,500米ドル以下の貨物は、100米ドル以下の純粋な贈答品などを除いて関税の対象になるとしています。
郵便の扱いは、次のように推移しました。
- 2025年8月27日: 日本郵便が、内容品価格が100米ドルを超える贈答品と販売品を含む米国宛ての郵便物の引き受けを停止
- 2026年4月14日: 米国税関が認証した事業者のアプリで関税を前払いすることを条件に、指定の郵便局で引き受けを再開。日本郵便が推奨する事業者はZonosのみ
- 2026年7月24日: Zonosの説明では、郵便に一律10%で課されていた追加関税が終了し、商品の分類と原産国に応じた通常の関税がかかるようになった。郵便で前払いの対象になる上限も800米ドルから2,500米ドルに上がった
内容品の価格帯ごとの現在の差出条件は、税関申告の記事で表にしています。制度は短い間隔で変わっているため、発送前に日本郵便とeBay Japanの最新の案内を確認してください。
撤廃後に米国向けで関税を前払いする手順は、関税を出品者側で前払いする仕組みで現在の制度に沿って解説しています。
関税額の決まり方と価格への織り込み
関税額は、課税の基準になる価格に税率を掛けて計算します。税率は商品の分類(HSコード)と原産国で決まります。eBay Japanの案内では、米国の関税の基準は申告価格=商品価格のみ(送料や保険料は含まない)で、HTSコードと原産国に応じた税率を掛けます。最終的な金額は米国税関の査定で決まります。
計算を分かりやすくするための数字で見ると、商品価格100米ドル、税率10%なら関税は10米ドルです。DDPではこの10米ドルをセラーが先に払うため、販売価格か送料に織り込むかを決めておきます。郵便でZonosを使う場合は、関税とは別に手数料も表示されます。
関税を価格に含めた場合、eBay Japanの案内では、Final Value Feeは商品価格・関税・送料を合わせた取引総額にかかります。関税の分にも手数料がかかる前提で、価格を決めてください。
税関申告の内容品と価格は正確に書きます。関税を安くするための過少申告やギフトの偽装は、法令とポリシーに違反します。
米国以外の宛先で出品に書くこと
米国以外の宛先では、関税はバイヤーの負担のままです。eBay Japanは、関税がかかる場合があり、バイヤーが支払うことを商品説明に明記してよいとしています。受け取り時の請求に驚いて受け取りを拒否されるのを防ぐため、宛先ごとの扱いが分かる書き方にします。
米国内にある商品を送るeBay International Shippingのように、輸入時の税金を購入時にバイヤーから集める仕組みもあります。ただし、このプログラムの対象は米国とカナダのセラーで、日本から直送する出品には使えません。
関税のよくある質問
関税を後からバイヤーに請求できますか?
できません。eBay Japanの案内では、関税の分を別の出品やeBayの外の決済で請求することは、ポリシーで認められていないとしています。米国宛てで2,500米ドル未満の取引は、関税の分を最初から価格に含めます。
送料にも関税はかかりますか?
eBay Japanが案内している米国の計算では、申告価格は商品価格のみで、送料や保険料は含みません。ほかの国では課税の基準が異なることがあるため、宛先ごとに確認してください。
前払いした関税は、注文がキャンセルになったら戻りますか?
Zonosの説明では、郵便局の窓口で引き受けの処理がされる前ならキャンセルでき、関税も返金されます。日本郵便が荷物を処理した後は返金されません。発送前に在庫と注文を確かめてから前払いすると確実です。
参考情報
執筆・監修: Trade Force 運営チーム