
税関申告とは、国際発送する荷物の内容品・数量・価格などを税関へ申告する手続きのことです。英語ではCustoms Declarationと呼ばれます。日本郵便の国際郵便では、国際郵便マイページサービスで作る「税関告知書」がこれにあたり、クーリエ便ではインボイス(商業送り状)が申告の書類になります。eBay輸出では、発送のたびにセラーが申告内容を用意します。
税関申告(Customs Declaration)に書くこと
発送方法によって書式は違いますが、共通して次の情報を記載します。
- 内容品の品名: 商品が特定できるように、英語で具体的に書きます(例: 「Gift」「Goods」ではなく「Trading Card」)
- 数量と重量
- 価格: 日本の税関は、価格欄にFOB価格を書くよう案内しています。原則として実際の決済金額、つまり販売した金額です
- 原産国とHSコード: 日本郵便は、HSコード類を決めるのは内容品を把握している差出人だとしており、日本郵便が代わりに調べたり正否を判断したりはできないと案内しています
郵便では申告内容を電子データで送る
日本郵便の国際郵便では、差出人・受取人・内容品名・重量などを電子化して、宛先国へ事前に送る通関電子データ(EAD)が使われています。2026年9月時点で、対象の郵便種別は通関電子データの送信がないと差し出せません。ラベルは国際郵便マイページサービスなどで作ります。
入力を間違えたときは、ラベルを作り直します。印刷したラベルに手書きで修正や追記をしても、通関電子データには反映されません。
20万円を超える郵便物の輸出申告
日本側で必要な手続きは、内容品の価格で変わります(2026年9月時点の税関・日本郵便の案内)。
| 内容品の価格 | 日本側の手続き |
|---|---|
| 20万円以下 | 税関への輸出申告は不要。税関告知書を作って郵便物に貼り、差し出す |
| 20万円を超える(税込み20万1円以上) | 税関への輸出申告と輸出許可が必要。日本郵便や通関業者に依頼するか、自分で申告する |
- 日本郵便に輸出申告を任せる場合、郵便料金とは別に代行手数料が1件2,800円かかります。インボイスと通関委任状の用意が必要です
- 同じ受取人へ同時に2個以上送る場合は、すべての梱包の内容品を合計した価格で判定します
- 20万円以下の郵便物でも、他の法令で許可や承認が必要な品物が見つかると、税関から手続きの案内が届きます。何に許可が要るかは輸出規制の記事で扱っています
発送の控えや輸出許可書は、消費税還付を受けるときの輸出の証明にもなります。発送時の控えを含め、保存すべき書類と金額の線引きは、eBay輸出の確定申告と輸出免税の証明で整理しています。
米国宛ては申告と関税の支払いがセット
米国は少額の輸入品を関税なしで通す措置(デミニミス)を停止しており、米国税関・国境警備局(CBP)は2026年6月の発表で、2,500米ドル以下の荷物は、100米ドル以下の本物の贈答品などを除いて関税の対象になると説明しています。制度の経緯は関税の記事にまとめています。
eBay側でも、イーベイ・ジャパンが2025年10月17日以降の取引について、送料を除いた商品価格が2,500米ドル未満の米国宛ての発送では、配送業者を問わずDDPを必須にしています(真贋保証の対象商品を除く)。条件とDDUで送った場合の扱いはDDPの記事で扱っています。
郵便で送る場合の日本郵便の差出条件(2026年7月24日以降)は次のとおりです。
| 内容品の価格 | 内容品の種類 | 関税の事前支払い |
|---|---|---|
| 100米ドル以下 | 書類、個人間の贈答品 | 不要(全局で差し出せる) |
| 100米ドル以下 | 上記以外(販売品など) | 必要(指定郵便局) |
| 100米ドル超〜2,500米ドル以下 | すべて | 必要(指定郵便局) |
| 2,500米ドル超 | すべて | 不要(指定郵便局) |
関税の事前支払いには、日本郵便が推奨するZonosのアプリを使い、そのアプリでラベルを作ります。イーベイ・ジャパンは、米国の関税は申告価格(商品価格のみで、送料や保険料は含まない)に、HTSコードと原産国に応じた税率をかけて計算されると説明しています。原産国はセラーが正確に書く責任があります。
申告を偽ってはいけない理由
申告内容は、宛先国での関税の計算や、輸入してよいかの判断に使われます。次のような申告はしないでください。
- 過少申告: バイヤーの関税を安くするために、実際より低い価格を書く
- 品名の偽り: 規制品や高額品を別の品名で申告する
- 贈り物の偽装: 販売した商品を「Gift」として申告する
イーベイ・ジャパンは、ギフトの偽装や過少申告は法令とポリシーの両方に違反すると明記しています。日本郵便は、通関電子データの内容が不十分・不正確だと宛先国の税関が判断した場合、差出人に追加や正確な情報を求めることがあると案内しています。申告の誤りは通関の遅れにつながり、配達が到着予定日を過ぎる原因にもなります。
送り状と内容品の登録をどの順で行うかは、売れてから発送するまでの手順で解説しています。
税関申告(Customs Declaration)のよくある質問
バイヤーに「Giftと書いてほしい」と頼まれたら?
断ります。eBayで売った商品は販売品です。米国で関税が免除される贈答品は、100米ドル以下の個人間の本物の贈答品などに限られます。販売品を贈答品として申告するのは、申告の偽りにあたります。
HSコードが分からないときは?
日本郵便は、内容品の日英訳とHSコード類の例をWebサイトで公開しています。ただし、HSコード類を決めるのは差出人で、日本郵便は代わりに調べたり正否を判断したりしないと案内しています。例で見当を付け、判断に迷う商品はHSコードの記事で調べ方を確認してください。
参考情報
- [公式情報]税関: 6201 外国へ郵便物を送る場合の手続(カスタムスアンサー)
- [公式情報]日本郵便: 内容品の合計価格が20万円を超える郵便物を海外へ発送されるお客さまへ
- [公式情報]日本郵便: EU加盟国等宛て郵便物に関するHSコード類などの送信について(通関電子データ)
- [公式情報]日本郵便: 内容品の日英・中英訳、HSコード類の例
- [公式情報]日本郵便: (続報)米国宛て郵便物の引受再開のお知らせ
- [eBay公式]イーベイ・ジャパン: 米国向け取引におけるDDP発送必須化について
- [公式情報]U.S. Customs and Border Protection: CBP modernizes low-value shipment processing
- [eBay公式]eBay Exports: Changes to the US import tariffs and Customs policy
執筆・監修: Trade Force 運営チーム