
配送保険とは、輸送中の紛失・破損によって生じた損害を補償する仕組みのことです。英語ではShipping Insuranceと呼ばれます。国際配送は輸送距離が長く経由地も多いため、eBay輸出では発送方法ごとの補償の上限を把握しておくことが、高額商品を扱う前提になります。
発送方法ごとの配送保険(Shipping Insurance)の補償
2026年9月時点の各社の公式情報では、補償の上限と追加の方法は次のとおりです。
| 発送方法 | 追加料金なしの補償 | 補償を増やす方法 |
|---|---|---|
| EMS | 2万円まで | 2万円ごとに50円の追加料金で、最高200万円まで引き上げられる |
| 国際小包(保険付でないもの) | 重量に応じて11,160円(5kgまで)〜31,230円(30kgまで) | 保険付にすると、申し出た損害要償額まで |
| 書留にした通常郵便物 | 6,000円 | — |
| DHL Express | 運送約款の上限まで | 運送保険。運送状1枚あたり2,500円か申告金額の1.2%の高いほう |
日本郵便の損害賠償の対象は、書留にした通常郵便物、保険付の手紙、国際小包、EMSです。書留を付けない小形包装物などは、対象に挙げられていません。
EMSでは、内容品の価格が2万円を超える場合、差し出すときに内容品の価格に応じた損害要償額を申し出ます。申し出がなければ、賠償の上限は2万円のままです。壊れた・内容品が足りないといった場合は、上限の範囲で実際の損害額が賠償されます。
クーリエ便の補償は、会社ごとに約款と料金が違います。上の表はDHLの2026年版の料金表によるもので、他社には当てはまりません。
補償を足す費用の計算例
内容品の価格が5万円の商品で比べます。
- EMS: 損害要償額を6万円までの区分で申し出ると、追加料金は100円
- DHLの運送保険: 申告金額5万円の1.2%は600円で、2,500円を下回るため2,500円
同じ5万円でも、補償を足す費用は発送方法によって大きく変わります。
eBayの取引での配送保険の位置づけ
eBayの公式ヘルプは、商品をバイヤーへ安全に届けるのはセラーの責任だとし、特に高額品では保険を検討するよう勧めています。保険の費用は送料に含めてよいものの、送料とは別の費用としてバイヤーに請求することはできません。
保険は、eBay上の申し立てを代わりに解決するものではありません。商品が届かない(INR)、壊れて届いた(INAD)という申し立てにはeBay Money Back Guaranteeが適用されます。たとえば商品が届かなかったと判断されると、バイヤーには商品代金と送料が返金され、セラーはその額をeBayに払い戻すよう求められることがあります。配送保険は、その損失を配送業者から取り戻すための手段です。
eBayが提供する保険(ShipCover)は、eBayで米国のUSPS・UPS・FedExのラベルを買うときに付けるものです。日本から郵便やクーリエを自分で手配して送る場合は、各配送業者の補償を使います。
補償を受けるための準備
- 損害要償額は差し出す前に決める: EMSは申し出た額が上限になります。高額品は発送のたびに申し出を忘れないようにします
- 梱包と中身の写真を残す: 破損の請求では、外装や内容品の状態を示す記録が役に立ちます。受け取った側に写真の協力を頼む場面もあります
- 手続きは早めに始める: 請求の期限や必要な書類は配送業者ごとに決まっています。破損・紛失の連絡を受けたら、eBay側の対応と並行して確認します
- 高額品は署名確認もそろえる: 注文の合計が$750以上なら、「届かない」申し立てへの保護には受領署名(Signature Confirmation)が必要です
補償はあくまで事後の救済です。丁寧な梱包で破損そのものを減らすことが、第一の対策になります。
参考情報
執筆・監修: Trade Force 運営チーム