
不良在庫とは、仕入れたものの長期間売れずに残り続け、仕入れ資金の回収を滞らせて保管スペースを圧迫している在庫のことです。せどり・eBay輸出では、リサーチの見込み違いや値崩れによって想定した価格で売れなくなった商品が不良在庫化します。
不良在庫(Dead Stock)と在庫切れ・損切りの違い
在庫の失敗には、売れずに残る方向と、売る在庫がなくなる方向の2つがあります。不良在庫は前者です。
不良在庫は状態、損切りはその状態から抜け出すための手段の1つ、という関係です。
「デッドストック」の2つの意味
「デッドストック」は、在庫管理では不良在庫と同じ、売れずに残った在庫を指します。一方、古着やスニーカーなどの売買では、長く保管されていた未使用の品を指して、価値のあるものとして使われることもあります。同じ言葉でも、評価が逆になる点に注意してください。
在庫が売れ残る失敗と足りなくなる失敗の両方は、出品と実在庫を合わせ続けるための全体像で扱っています。
不良在庫が生まれる原因
- リサーチの見込み違い: 売れ行きや相場の確認が不十分なまま仕入れ、需要のない商品や高値づかみの商品を抱えてしまうケースです
- 値崩れへの対応遅れ: 相場が下がり始めたときに「戻るまで待つ」と判断し、そのまま売り時を失うケースです
- 在庫の放置: 出品後に価格や商品ページを見直さず、市場の変化から取り残されるケースです。売れない理由に気づかないまま時間だけが経過します
仕入れの段階で不良在庫を避けるための基準は、eBayで何を売るかの決め方で3つに整理しています。
持ち続けるほど増えるコスト
不良在庫は「まだ損が確定していない在庫」に見えますが、実際には持ち続けるだけでコストが発生しています。仕入れ資金が固定されて回転率が下がり、次の仕入れの機会を失います。保管スペースを占有し、時間の経過で商品の状態や需要がさらに悪化することもあります。帳簿上は資産でも、事業の観点では負債に近い存在です。
失っている機会は、計算で見ると大きさが分かります。計算を分かりやすくするための数字で、例を示します。
- 仕入れ額50,000円分の在庫が、6か月動かずに残っている
- 同じ50,000円を、1か月で売り切れて仕入れ額の10%の利益が出る商品に回せていたとする
- 1か月あたり5,000円 × 6か月 = 30,000円分の利益の機会を失っている
在庫そのものの値下がりに、この機会の損失が上乗せされます。「売れるまで待てば損はない」とは言えない理由です。
在庫が現金にならないまま積み上がる状態は、eBay輸出で利益が消える場所の1つとして扱っています。
滞留している在庫の見つけ方
不良在庫対策の第一歩は、「どの商品が、いつから、いくら分滞留しているか」を正確に把握することです。商品ごとに次の項目を記録しておくと、滞留している在庫を一覧で抜き出せます。
- 仕入れ日: 仕入れからの日数で、長く残っている順に並べます
- 仕入れ値と数量: 仕入れ値 × 数量で、その商品に寝ている資金の額が出ます
- 最後に売れた日・価格を見直した日: 手を入れていない在庫と、手を入れても動かない在庫を分けます
何日を「滞留」とみなすかは、商材の売れる速さで変わります。自分の商品が普段何日で売れているかを基準に、それより大きく長い在庫を洗い出します。
手を入れたかどうかで動かない在庫を仕分ける方法は、90日たった在庫を4つに分けるで扱っています。
不良在庫の対処法
- 期限を決めて値下げする: 「仕入れから◯か月で値下げ」のようにルール化し、価格改定やセールで売り切ります
- 損切りする: 値下げでも動かない在庫は、損切りで現金化して資金を次の仕入れに回します
- 発生源を潰す: どの仕入れ判断が不良在庫につながったかを記録から振り返り、同じパターンの仕入れを減らします
仕入れ値ではなく「今戻る額」で判断する
手放すかどうかを決めるとき、仕入れ値を取り戻せるかを基準にすると判断が遅れます。例として、3,000円で仕入れた商品が、今の相場で売ると経費を引いて2,500円しか戻らないとします。今売れば500円の損が確定しますが、3か月後に2,000円しか戻らなくなれば、損は1,000円に広がります。比べるのは「今売るといくら戻るか」と「待つと何が変わるか」です。回収した資金を次の仕入れに回した場合と持ち続けた場合を同じ期間で並べる計算は、損切りで扱っています。
動かない在庫を回すかどうかの判断軸は、eBayの利益率を上げる5つの打ち手で整理しています。
同じ失敗を繰り返さないための見直し
- 不良在庫になった商品の仕入れ理由を記録と突き合わせ、見込みが外れた原因(相場の読み・売れる速さの読み・仕入れ数)を1つに絞ります
- 外れた原因ごとに、次の仕入れの基準を1つだけ変えます
- 在庫データが整理されているほど、値下げ・損切りの判断を早く打てるようになります
四半期ごとに「やめる候補」を洗い出す枠組みは続けるか、形を変えるか、やめるかの判断で、在庫を抱えたまま規模を戻すときの順番は縮小するときに、何から止めるかで整理しています。
執筆・監修: Trade Force 運営チーム