
多店舗展開とは、eBayに加えて、他のECモールや自社サイトなど複数の販路で同時に販売することです。英語ではMulti-channel(マルチチャネル)と呼ばれます。1つの在庫を複数の売り場に出すことで、販売機会を最大化する戦略です。
多店舗展開(Multi-channel)と似た言葉の違い
「マルチ」と付く言葉は、何を複数にするかで意味が変わります。
| 言葉 | 複数にするもの | 例 |
|---|---|---|
| 多店舗展開(マルチチャネル) | 販路(別々のモール・自社サイト) | eBayと国内のモールで同じ在庫を売る |
| eBaymagによる展開 | 同じeBayの中の、国ごとのサイト | 米国のeBayの出品を、他の国のeBayサイトにも出す |
| FBAのマルチチャネルサービス | 出荷の拠点を1つにまとめる物流 | 他の販路で売れた注文を、Amazonの倉庫から出荷する |
eBaymagはeBayの中で売り場を広げる方法で、多店舗展開はeBayの外にも売り場を持つ方法です。FBAのマルチチャネルサービスは販路ではなく物流の仕組みで、多店舗展開を支える手段の1つです。eBaymagで広げた国ごとのサイトの間では在庫が自動で同期されますが、eBayの外の販路との同期は別に用意する必要があります。在庫の同期やアカウントの違いまで含めた比較は、eBaymagの記事の表にまとめています。
多店舗展開のメリット
- 販売機会の拡大: 同じ商品でも、販路によって買い手層・売れる価格が異なります
- リスク分散: 1つの販路のアカウント停止・規約変更・手数料改定に事業全体が左右されにくくなります
- 在庫回転率の向上: 複数の売り場に並ぶことで、売れ残りが減ります
多店舗展開(Multi-channel)で在庫を同期する
同じ在庫を複数販路に出す以上、どこかで売れたら他の販路の在庫数も即座に減らす必要があります。これが遅れると、eBay側で売り越しが発生し、キャンセル(Defect)につながります。
手動の同期が破綻する理由
同期の手間は、販路の数と売れる件数の掛け算で増えます。計算を分かりやすくするための数字で、例を示します。
- 3つの販路で同じ在庫を売っている場合、1件売れるたびに、残り2つの販路の在庫数を直す必要があります
- 月に150件売れると、150件 × 2販路 = 月300回の在庫数の修正が発生します
- 販路を4つに増やすと、150件 × 3販路 = 月450回になります
1回でも直し忘れると、その間に売れた注文は発送できません。多店舗展開は、在庫管理の仕組み化とセットで考えるべき戦略です。
在庫と出品を合わせ続ける仕組みの全体像は、eBay在庫管理とはで整理しています。
販路ごとに利益が変わる
販路ごとに手数料・送料・客層・ルールが異なるため、同じ価格で売れても手元に残る利益は販路で変わります。計算を分かりやすくするための数字で、例を示します。
- 販売価格10,000円、仕入れ値6,000円、送料1,000円の商品
- 手数料が売価の10%の販路A: 10,000円 − 1,000円 − 6,000円 − 1,000円 = 2,000円
- 手数料が売価の15%の販路B: 10,000円 − 1,500円 − 6,000円 − 1,000円 = 1,500円
同じ商品でも、販路Bで同じ利益を残すには販売価格を上げる必要があります。販路ごとの手数料と送料を入れた利益計算を、販路別に持っておきます。
販路を増やす前に決めること
- 主力の販路を安定させる: まず主力販路(eBay)の運営を安定させてから広げるのが定石です
- 同期の仕組み: 同期の仕組みがないまま販路だけ増やすと、売り越しを量産します。どの販路で売れても全販路の在庫が減る状態を先に作ります
- 販路ごとのルール: 販路ごとに、出品できる商品・発送の期限・禁止されている行為が異なります。販路を足すたびに、その販路の規約を確認します
執筆・監修: Trade Force 運営チーム